インドアOLの休日の過ごし方

夜空はいつでも最高密度の青色だ


なんとも言えない孤独感、不安、寂しさが、言葉として美しく綴られている最果タヒさんの詩集です。 私が予想する文末とは逆の言葉で文が締めくくられていて、何回も裏切られる、美しくてドキドキしてちょっと怖い感じがします。 最果タヒさんは、言語化できないくらい儚くてぼんやりした感情を、言葉で表現するのが上手なんだと思います。全然わからない詩もたくさんあるし、それでもなんとなくわかりたい詩もあって・・・。 そんな多くの言葉の中に、自分にとってすごく必要で大切なものが紛れていて、 読み進めるうちにそれを見つけられる瞬間がすごく好きです。 この詩集のうち、特に好きだなぁと思った詩をご紹介します。

『食べるのも、見るのも、作るのも、聞くのも、結局全て僕の命を支払うことで手に入れたものだ。好きなものがないなんて、不幸だと思う。生きる意味がない。なんて嘘で、暇が一番、素材の味。命の、素材の味がする。(新宿東口)』 『きみに会わなくても、どこかにいるのだから、それでいい。(彫刻刀の詩)』

この詩集は映画化もされました。
〉映画「夜空はいつでも最高密度の青色だ」公式サイト
詩を映画化するって珍しいですが、見事に最果タヒさんの世界観が映像によって表現されていました。

著者:最果 タヒ
出版社 :リトル・モア
発行日:2016/4/22
-参考サイト-
〉夜空はいつでも最高密度の青色だ|最果タヒ|本|通販|Amazon